どっちが強い?
コードカオスVSTOUR360 XT-SL
グリップ力を真剣比較

「必然変異のグリップ力」と「全地全能のグリップ力」をプロが試し履き
ゴルフサプリ 編集部

2020年2月7日から順次発売が開始されたアディダスゴルフの「コードカオス」シリーズ。ゴルフシューズの上半期販売シェアNo.1であることは間違いなしであろう売れ行きを見せ続けており、さらに8月8日にはニューカラーが追加され、こちらも人気を博している。

そんな“コードカオス ・フィーバー”が吹き荒れる中、ツアープロが使用することで知られる「TOUR360」シリーズの新モデルが登場する。「全地全能のX」というキャッチコピーを携えて登場する新しい「TOUR360 XT-SL」とは、いったいどんな高性能シューズに進化しているのか!? そこで、プロゴルファーと研修生に、ふたつのモデルを試し履きしてもらい、そのインプレッションも交えつつ比較してみよう。

コードカオス は“2足買い”が当たりまえ?
2020年上半期のNo.1ヒットは間違いなし

「コードカオス」シリーズは定番モデルがメンズ3モデル、ウィメンズ2モデル。数量限定版としてメンズ4モデル、ウィメンズ2モデルが登場し、その都度話題となった。定番品の「コードカオス BOA」には8月に新色が発売された。
「コードカオス」シリーズの売れ行き状況を話してくれたのは、二木ゴルフ・多摩センター店/小林義久さん

さて「コードカオス」と「TOUR360 XT-SL」シリーズを比較する前に、発売以来、爆発的な人気を継続中の「コードカオス」について語らせてもらおう。「コードカオス」の特徴は、なんといってもゴルフシューズの概念を覆す独創的かつ先進的なデザインと性能だ。

発売当初、一見して、その独創的デザインに抵抗を感じる人もいたのでは?という考えもよぎったのだが、二木ゴルフ・多摩センター店でシューズ売り場を担当する小林義久さんによれば「そんなことは、一切ありませんでしたね。逆に先進的なデザインを珍しがったり、かっこいいとおっしゃる方ばかりでした。そして、みなさんが履いた途端に『これはいいね』と気に入られたご様子でした」という。その小林さんの言葉を証明するかのように「コードカオス」シリーズは、発売と同時に売れ筋の上位を席巻し始めた。そして、2月の発売から7月まで、コードカオスがコードカオス BOAと交代しただけで、半年連続で「コードカオス」シリーズが1位を守り続けている。以下は、YPS(矢野経済研究所)の販売実績データだ。

【コードカオス シリーズ
2020年2月〜6月の売れ筋ランキング】

※コードカオス ボア ロウは3月に発売。

「女子プロゴルファーが使用中」という前情報が
導火線に火をつけた

上段左からアン・シネ、畑岡奈紗、松田鈴英、下段左から森田遥、イ・ボミ、岡山絵里といった多くの女子プロゴルファーが愛用中。

「これまでもアディダス ゴルフのシューズは人気がありました。ですが、「コードカオス」シリーズの売れ方は、アディダス ゴルフ史上最大・最高だと思います。まさに異次元の売れ方です」(小林さん)

この異次元(カオス)な売れ方の要因は、どこにあるのだろう?

「前評判がすごかったんですよ。鳴り物入りで入荷されたような感じです。その理由が、畑岡奈紗選手やイ・ボミ選手、それに松田鈴英選手にアン・シネ選手といった人気の高い女子プロが履くという情報が流れたからです。ここ数年は、『女子プロが使っている=アマチュアゴルファーにも合う/性能が良い』という公式が、お客様の頭の中にあるからでしょうね」(小林さん)

“畑岡奈紗ちゃんが履いているアディダスのシューズある?” そんなふうに「コードカオス」シリーズを買いに来るゴルファーが、発売当初はとても多かったという。また、スパイクレスシューズのニーズの高まりも、爆発的な売れ方の要因のひとつではないかという。

「若い方だけでなく、シニアゴルファーも多くご購入されています。スパイクレスシューズの良さが広く浸透してきたんでしょうね。それから、購入しやすい価格というのも大きいと考えています。アディダス ゴルフの独自テクノロジーのひとつ『BOOST』がミッドソールに採用されているモデルは、これまで価格が2万円以上していました。ですが「コードカオス」シリーズは『BOOST』を採用しているのに、1万4000〜7000円前後ですから、気軽に手を伸ばせると感じたお客様は多かったんじゃないでしょうか」(小林さん)

最新モデルのゴルフシューズが2万円以内の価格であれば、お得だと感じられるというのは、たしかに共感できるものだ。

「こんなにお客様満足度の高い商品は、あまり経験がないですね。スパイクレスシューズは初めてだというお客様も、試し履きしたときに『グリップ力』を感じるとおっしゃいます。柔らかな履き心地やフィット感も、どのお客様におすすめしても満足していただけます」

女子プロゴルファーを起用した発売前の巧みなプロモーション戦略、そして商品そのものの性能と魅力、さらには絶妙な価格設定。「コードカオス」シリーズの驚異的な売れ方には、様々な要因が重なっていたようだ。

“全地全能”のグリップ力とは!?
「TOUR360 XT-SL」シリーズ登場

さて、お待たせしました。いよいよ、ここからはアディダス ゴルフの最新モデル「TOUR360 XT-SL」シリーズについて、詳しくご紹介していく。

長年ゴルフを嗜む諸兄にとって「TOUR360」といえば、アディダス ゴルフの最高峰モデルというイメージがあるのではないだろうか。初代「TOUR360」が登場したのは2005年、代を重ねるごとに確実に進化を遂げ、その間には360度から足を包み込む「360WRAP」や革新的なクッション性を実現する「BOOSTフォーム」といったテクノロジーが生まれ、搭載された。そして昨年登場した9代目「TOUR360 XT」には、2つのBoaダイヤルを搭載した「ツインボア」、繊維素材を編み上げたアッパー「プライムニット」といった最新テクノロジーが搭載された。

そして、この秋登場する「TOUR360 XT-SL」シリーズには、さらなる最新テクノロジーが搭載されている。それでは、アディダス ゴルフらしい、独創的かつ先進的なテクノロジーによって生まれたアウトソール、アッパー、ミッドソールについて解説していこう。

「TOUR360 XT-SL」シリーズ最大の特徴。
ハードヒッターにも対応する
グリップ力を備えたアウトソール

「TOUR360 XT-SL」シリーズのアウトソールは、全面がラバーよりも安定性の高いTPU素材が採用されている。これはTPUを使うことで、全面的に安定性を向上させる狙いがあるという。そして、アウトソール全面に敷設されたX字状のラグだが、これは無造作に配置されているというわけではない。実はスイング時の圧のかかり方などを計算し、微妙に高さや向きが意図的に配置されているのだ。

まず、このアウトソールによる快適性のポイントは、このX字状のラグが全面に配置されている点にある。利点としては、地面との接地面積が多くなることで、「BOOST」のクッション性を足裏全体で感じられるのだ。

次に、このX字状のラグはフラットな状態では四角く地面をとらえている。だが、スイング中には足裏のある一点に体重・圧がかかるときがある。その際、X字状のラグの各先端部分が地面に刺さる形となって、グリップ力を生むようになっているのだ。そのグリップ力は、一点にかかる圧が強ければ強いほど高くなる。よって、体重移動を大きく活用するダイナミックなフットワークに対して、スパイクのように地面にラグが刺さることで、より強いグリップ力が発揮されるということだ。

このことから「TOUR360 XT-SL」という名前が物語るとおり、ツアープロレベルのパワーはもちろんだが、体重移動を大きく活用し従来のスパイクシューズのようにアウトソールが地面に刺さることでグリップ力をはっきして欲しいゴルファーに対応可能なグリップ力を備えているということがわかるのではないだろうか。

「TOUR360 XT-ST」のアッパー素材は
三者三様の安定性

人それぞれ、スイングによって求めるクラブの性能やフィーリングが違うように、シューズに求めるフィーリングやグリップ力につながるフットワークの使い方も違う。最先端テクノロジーによる恩恵にはあずかりたいが、皮の見た目、履き心地も忘れたくない。そんなニーズに応えてか、「TOUR360 XT-SL」シリーズには、アッパー素材の違う3つのモデルがラインアップされている。

繊維素材が採用されたレースタイプ(紐靴)の「TOUR360 XT-SL TEX(テックス)」、人工皮革のBOA搭載の「TOUR360 XT-SL BOA 2」、そして天然皮革アッパーでレースタイプの「TOUR360 XT-SL 2」だ。

「TOUR360 XT-SL 2」は、アディダス ゴルフでは初となる天然皮革のスパイクレスシューズだ。天然皮革の良いところは、皮素材特有の安定性と履きこめば履きこむほど足形に馴染んでいくという特性にある。履けば履くほど、その人の足形や歩き方にどんどん馴染んでいくため、微妙な調整が可能なレースタイプ(紐靴)とされている。

人工皮革を採用した「TOUR360 XT-SL BOA 2」は、人工皮革特有の“伸びない”性質を生かすため、極限までアッパーの伸びを抑えるBOAレースとペアリングされている。採用されているBOAのレースは繊維素材を纏ったしなやかものでしっかり締めても足型に順応しやすく負担を軽減しているがレース内部には炭素系の素材を使用していることでレースの伸びを極限まで抑えている。このBOAレースと相性抜群の人工皮革と合わさることでシリーズ中最も安定性とホールド感の高いモデルとなっている。

そして、最後に繊維素材アッパーの「TOUR360 XT-SL TEX」だが、これまたアディダス ゴルフらしい独自性の高い素材と製法が採用された要注目のモデルと言えるだろう。皆さんご存知であろう「プライムニット」は1本の糸で編み上げられたアッパーだったが、この「TOUR360 XT-SL TEX」のアッパーは糸を縦・横で織って作られている。そして、ソフトなフィット感、通気性、軽量性にすぐれるだけでなく、縦・横方向へのストレッチ度合いが低くなるため、繊維素材アッパーとしては最高レベルの安定性を実現している。また、繊維素材でありながら撥水性能があるため急な天候の変化にも対応できる。

最高品質のクッション性と耐久性を誇る「BOOST」をミッドソールに採用

従来のBOOST搭載シューズには「2.3G BOOST」が採用され、その優れたパフォーマンスが高く評価された。だが「TOUR360 XT-SL」シリーズでは、その「2.3G BOOST」を上回る性能を備えた「BOOST」がミッドソールに採用されている。

「BOOST」はアディダスの最高峰ランニングシューズにも採用されており、そのクッション性と耐久性は他に類を見ない“優れもの”として知られている。「TOUR360 XT-SL」シリーズでは、この「BOOST」が部分的にではなく、足裏全面に渡って“サンドイッチ”されており、足裏全面でクッション性を感じることができる。

この「BOOST」の耐久性は、ハードヒッターによる強烈なキック(蹴り)に何度なく晒されても“割れる”ことがない。もちろん何10年も使えば、その限りではないだろうが、ダスティン・ジョンソンやジョン・ラーム、特に右足の強い蹴りが特徴的なセルジオ・ガルシアのスイングでも、この「BOOST」の耐久性とクッション性は損なわれることがない。

この「BOOST」によって皮革素材アッパーや安定感の高い、いわゆる足への負担が比較的強い種類のシューズには類を見ない快適性をもたらすことが可能になり、スイング時の脚の蹴りに対するエナジーリターンが大きい上に歩行時などの快適性はランニングシューズレベルとなっている。

【比較】「TOUR360 XT-SL」VS「コードカオス」

好みに応じて選べる「TOUR360 XT-SL」と
オールラウンドに対応する「コードカオス」

では、ここで「コードカオス」シリーズと「TOUR360 XT-SL」シリーズの各パーツにおける比較をしていこうと思う。

まず、アッパー素材だが、「コードカオス」シリーズは、限定モデルを除けば全モデルがニットアッパーをPUフィルムでカバーした「マルチレイヤーハイブリッドアッパー」が採用されている。軽量かつ柔軟性と通気性にすぐれつつ、ニットアッパー表面に凹凸が施され、それをPUフィルムで覆って安定性をさらに調節することで、スイング時の横方向の動きに対して高い安定戦を確保してくれるというものだ。

対して、「TOUR360 XT-SL」シリーズは、安定性がそもそも高い3つのアッパー素材のモデルがラインアップされており、好みに応じたフィーリング、安定性の度合いを選ぶことができる。だが、そのどれもがツアープロのスイングにも対応する安定性をもたらすことは、先に述べた通りだ。皮素材特有の質感や履き心地を求めるゴルファーにも門徒を開いていることから、デザインとパフォーマンスを好みに応じて選べる「TOUR360 XT-SL」シリーズに対して、「コードカオス」シリーズは幅広いゴルファーにオールラウンドに応えてくれるということになるだろう。

ミッドソールの性能はともに最高レベル。
履き心地が他要素によって変わるのみ

ミッドソールに採用された「BOOST」に違いはあれど、そのクッション性の高さは甲乙つけがたい。どちらも最高レベルのクッション性、疲労軽減効果を約束してくれるからだ。

あえて違いを語るとすれば、その履き心地だろうか。「TOUR360 XT-SL」シリーズは、アウトソール全面にX字状のラグが配置されており、これが「コードカオス」シリーズのアウトソールに配置されたラグよりも若干細身である。そのためか、足裏全体で地面に接地している感覚とともに、足裏全体で地面にラグが“刺さっている”ような感触がある。といっても、従来のスパイクシューズの鋲のように一点が突き上げてくるようなものでは、決してない。足裏全体で地面をグリップしている安定感、といったほうが正しいかもしれない。

対して「コードカオス」シリーズは、うねうねとしたパターンのTPU素材(緑の部分)のラグと、そのほかのラバー素材のラグが、地面や芝に対して複雑に絡んでグリップする形になるので、密着感が高い、とでもいった感触がある。「TOUR360 XT-SL」シリーズよりも粘るというか、柔らかい接地感という感じだろうか。

歩行時は、どちらも「BOOST」のクッションが働き、歩行をサポートされている感覚があって、軽快に歩くことができる。そのため、ミッドソールの差異で、両者を比較するのは、なかなかに難しいというのが結論であり、好みによって選ぶのが最善ということになりそうだ。

強い力にも対応可能な「TOUR360 XT-SL」と
総合的にグリップ力が高い「コードカオス」シリーズ

ミッドソールの比較の際にも述べたが、「TOUR360 XT-SL」シリーズと「コードカオス」シリーズでは、アウトソールのラグの素材、パターンが違う。素材に関しては「TOUR360 XT-SL」シリーズが全面TPUで「コードカオス」シリーズはTPUとラバーのハイブリッドとなっている。

そして、そのグリップ力だが、「コードカオス」シリーズは男女またはレベル問わず総合的に高いグリップ力を発揮してくれる。体重の軽い女性やジョン・ラームのような体重が100kg超える男性に対しても、同じように性能を発揮するというものだ。

対して「TOUR360 XT-SL」シリーズは、ヘッドスピードの速いゴルファーに対して高いグリップ力を発揮するという違いがある。これは速いヘッドスピードにだけグリップ力を発揮するということではなく、フットワークがよりダイナミックであったり、体重移動を大きく使ういわゆるハードヒッターに対して高い安定性・グリップ力を発揮するということ。

ともに、接地面積は広く、足裏全面で地面をとらえることとなるため、スパイクシューズとは比べ物にならないほど疲労を軽減してくれる。快適性という点でいえば、どちらもとても優れているということが言える。逆にスパイクシューズの中には、鋲が足裏を突き上げ、体が常にバランスを取ろうとしてしまうもの存在する。そのため、常に体は安定感を得られず、不安定な状態になることから、知らずうちに疲労がジリジリと蓄積されてしまうのだ。

下の図は、「TOUR360 XT-SL」シリーズと「コードカオス」シリーズの安定性(グリップ力)と快適性の違いをわかりやすく表したものだ。購入の際の参考にしてほしい。

【プロ&研修生が比較】
300ヤードスイングにも対応する
抜群の安定感!

田所嵩瑛(たどころ・たかあき)。小学6年生でゴルフを始め、2016年研修生に。2019年プロテストに一発合格を果たした。気鋭の新人プロ(左)。サザンヤードCC所属の研修生・高橋大輝(たかはし・だいき)さん(右)。田所プロ同様、ドライバーの飛距離は300ヤードを超える。

ここからは、ともにドライバーの飛距離が300ヤードを超えるハードヒッターの田所嵩瑛プロと研修生の高橋大輝さんによるインプレッションをお届けする。偶然にも田所プロは「コードカオス BOA」を、高橋さんは「コードカオス BOA ロウ」を愛用中とのことだった。この二人に「コードカオス BOA」と「TOUR 360 XT-SL TEX」を、それぞれ履いてプレーしてもらい、その履き心地を聞かせてもらった。

“マン振り”できるホールド感と
安定したグリップ力

300ヤードを超えるショットを放つスイングに対して抜群の安定感とグリップ力を発揮。

まずは、履いた瞬間の印象についてはどうだろうか。

田所「履いた瞬間のクッション性、どちらも心地いい感触で、これは違いを見つけるのが難しい」

高橋「そうですね。普段からコードカオスを履いているから、違いを感じられると思ったんですがクッション性は、どちらも甲乙つけがたいくらい良いですね」

田所「でも、TOUR360 XT-SL TEXのほうが履き心地はやわらかく感じるかも。これは繊維素材というのが見た目からわかるからから、その影響かもしれないですけど。足先部分がやわらかく包まれているような感触が強いです」

高橋「軽快な感じもいいですね。これなら18ホール、疲れることなく回れますよ」

では、さっそくティショット。ドライバーによる300ヤードスイングで試してもらおう。ふたりには、普段通りのスイングを心がけてもらった。

田所「グリップ力は、これまた違いを見つけるのが難しいですね。ひとつ感じるのは、TOUR360 XT-SL TEXのほうが横方向に対する安定感というか、ホールド感が強いかな?」

高橋「コードカオスでも不安定さを感じたことはないですが、TOUR360 XT-SL TEXも普段通りに振れます。“マン振り”しても安定していますね」

田所「ただ、僕は切り返し時に左足のツマ先に加重するから、TEXよりも天然皮革か人工皮革のほうが合っているかもしれませんね。もう少し硬さというか皮のしっかり感がほしいという感じがします」

高橋「僕の場合は、切り返し時に足裏全体に加重するから、田所プロみたいな感覚はないですね。スイング中もホールド感と安定感を強く感じます」

田所「スイングや脚の使い方によって、適したアッパー素材が人それぞれあるみたいですね。このあたりは、アッパー素材が1種類のコードカオスと違う部分かもしれないですね」

二人にはバンカーや傾斜(ラフ)などからもスイングしてもらい、「コードカオス BOA」と「TOUR360 XT-SL」シリーズの履き心地を比較してもらった。

田所「傾斜でもバンカーでも、マットの上でも安定感は抜群です。シューズの重さもほとんど変わらないし、どっちも軽くて歩きやすい」

高橋「本当に違いを見つけるのが難しいですね。あるとすれば、アウトソールの芝の噛み具合というか、足裏から伝わってくる感触ですかね」

田所「そうだね。TOUR360 XT-SL TEXは、地面に刺さるような感じがあるけど、コードカオス BOAのほうは絡みつくというか粘る感触があります。どっちも歩きやすさを阻害するようなものではなく、それによって安定感があるということなんですが、本当に微妙な違いです」

高橋「それにしても、どちらか1足しか選べないとなったら、かなり悩まされますね」

田所「順当にいけばTOUR360 XT-SLシリーズなんでしょうけど。実際、今はコードカオスを履いて満足していますからね」

高橋「僕の周りにはコードカオスのミッドカットとロウを1足ずつ持っている人がいますよ」

田所「プレーするコースだったり、シチュエーションによって履き替えたくなるのかもね。その気持ちはすごくわかります」

というわけで、“試し履き”によって導き出された結論は『選ぶのが難しいと思ったら、どっちも買ったほうがいい』というものに。

田所「TOUR360 XT-SLシリーズは、TEXのほかに天然皮革と人工皮革からも選べるので、僕みたいなタイプのスイングにはシンプルにおすすめできると思います。ですが、コードカオスのデザインのかっこよさや、幅広いゴルファーに対応する性能のことを考えると、コードカオスもおすすめしたくなるんですよね」

高橋「そうですよね。気分によって履き替えられたら楽しいでしょうし、どれを履いても、パフォーマンスに信頼が置けます。デザイン違いを複数持ちたくなりますね」

田所「というわけで、TOUR360 XT-SLもコードカオスも、迷ったら2足買い、3足買いしてもいいシューズということですね」

「サイドのストライプがホールド感を高めている気がします」(田所プロ)

「TOUR360 XT-SL」シリーズと「コードカオス」シリーズの違い、よくわかっていただけただろうか。さて、ここから先は、編集部がどうしても伝えておきたかったアディダス ゴルフの飽くなき追求心が現れている細かなテクノロジーをご紹介する。アディダス ゴルフのシューズが支持される理由、そしてアディダス ゴルフのシューズを履いたゴルファーが、最高のパフォーマンスを発揮できる理由がよくわかるはずだ。

アッパー素材の違いに応じて
細部の形状や構造を変化。
アディダス ゴルフの「安定性」に対する
飽くなき追求心

「TOUR360 XT-SL」シリーズが備えた優れた性能、そして「コードカオス」シリーズとの違いについてはお分りいただけたことと思う。しかし、編集部としては、まだまだお伝えしたいことがある。それが、天然皮革アッパーの「TOUR360 XT-SL 2」と人工皮革アッパーの「TOUR360 XT-SL BOA 2」に施されている、アッパー素材の違いに応じた細部の形状や構造に対する工夫である。

まず、なぜ天然皮革の「TOUR360 XT-SL 2」にはレース(靴紐)が採用され、人工皮革の「TOUR360 XT-SL BOA 2」にはBOAが搭載されているかについて、改めて説明しよう。

天然皮革には、素材特有の安定性の高さ、履きこむほど足形に馴染んでいくという特性がある。履いていくうちに形状が微妙に変化していくため、その変化に応じて締め付け具合を調整できるようにレースが採用されているというわけだ。

そして、“伸びにくい”性質を持っている人工皮革は、BOAクロージャーとの相性がとてもいい。伸びにくいがゆえに、BOAレースによる強い締め付けを繰り返しても、履いているうちに皮が伸びて“緩む”ということがないからだ。

では、ここからは天然皮革の「TOUR360 XT-SL 2」と人工皮革の「TOUR360 XT-SL BOA 2」に施された、細かな工夫について解説していく。

安定性を向上させる
「ENHANCED FORGED TECHNOLOGY」

安定性の向上させる外股側と内股側の両サイドに施されたフォージド加工。

コードカオスとの大きな違いとして、「TOUR360 XT-SL 2」と「TOUR360 XT-SL BOA 2」には、TPU素材のフローティング・3ストライプスが搭載されているということがある。また、外股側と内股側の両サイドには素材の質感を維持しながら、安定性の向上を実現するためのフォージド(表面硬化熱処理)パターンも施されており、このENHANCED FORGED TECHNOLOGYもコードカオスにはない部分だ。

ちなみに、コードカオスにはフォージド加工の代わりに、2層構造のアッパーのうち内側のニット層に伸びる方向を調整するための凹凸をつけており、その上からさらにPUフィルムでおおうことで安定性を2段階で調節していることで、歩行時には柔軟性を感じてもらい、スイング時には安定性を感じてもえるようになっている。

気が付いた?
レースタイプの「TOUR360 XT-SL 2」の
3本線が“浮いている”理由

「TOUR360 XT-SL」シリーズには、スイング時の安定性向上のため、アッパーとミッドソールに挟まれる形でシューズ全周を覆う新しいTPU 素材のトッププレートが搭載されている。これによって、スイング時に発生するトルクのコントロールやシューズ全体の安定性を発揮。フィニッシュ時に後ろ足がツマ先立ちしたときのつぶれも抑えてくれることで、最後までバランスを保ちやすいスイングを後押しする。

そして、レースタイプの「TOUR360 XT-SL 2」と「TOUR360 XT-SL TEX」にのみ搭載されている「フローティング・3ストライプス」は、トッププレートからレース(靴紐)に連結されており、シューズ全体に横方向の安定性の向上をもたらしている。また、フローティング・3ストライプスはその名称通り、アッパーに貼り付けてあるわけではなく、レースとプレートとの連結部分以外は浮いた状態になっているため、足形に順応し、フィットしながらも流動的に動くことによって安定性を向上させるように働くのだ。

驚くほど歩きやすくて柔軟性を感じる?
その秘密は、足の形と動きに自然とフィットする
スロート&タン

赤いラインの部分がスロート(喉)と呼ばれる部位。通常は真横だが、「TOUR360 XT-SL 2」と「TOUR360 XT-SL BOA 2」は斜めに成形されている。

「TOUR360 XT-SL 2」と「TOUR360 XT-SL BOA 2」のスロートは、一般的なシューズと違い、斜めに成形されている。その理由は、歩きやすさや柔軟性を感じてもらうためだ。ニットやTPUのような素材に比べて、皮素材はその特性上、柔軟性が少なくなる。そこで、スロート部分を足の自然の形に合わせて斜めにすることで、屈曲がしやすく、歩きやすく感じられるようにしてあるのだ。

単にレースタイプ、BOAタイプというふうに作り分けているわけではなく、追求した性能を実現するために素材に応じて、ここまで細やかな工夫と変化を施しているところに、アディダス ゴルフのモノ作りに対するブレない信念が感じられる。

BOAの強いホールド感を受け止め、心地のいい履き心地をもたらす「TOUR360 XT-SL BOA 2」の甲を覆うような形の分厚いタン。
「TOUR360 XT-SL 2」は、タンの外側が高くなっており、スイング時にかかる力に対してクッション性を発揮する。
写真は「TOUR360 XT-SL BOA 2」のタン部分。クッション性を高めるため分厚くなっている。

さらに、「TOUR360 XT-SL」シリーズでは、履き心地を向上させるためにタンの形まで改良している。まず、レースモデルの「TOUR360 XT-SL 2」と「TOUR360 XT-SL 2 TEX」では、タンの外側のほうを高くした非対称形状にしてある。これは甲から足首にかけてのカーブに合わせてフィットさせるためであり、またスイング時にかかる横方向の力に対してクッション性を発揮させるためだ。

次に「TOUR360 XT-SL BOA 2」のタンは、レースモデルよりも厚めになっており、左右対称の形状としてある。これは、タンにBOAが装着されていることに依るところが大きい。タンにBOAを装着することで、ツマ先からかかとまで、足全体を均等に締めてフィットするのだが、この締め付けを厚めのタンが柔らかく受け止めてくれるようになっている。

「安定性」だけじゃない。
「快適性」にもこだわっています

タンの部分に設けられた穴が通気孔である。
かかと部分の通気孔。写真左の「TOUR360 XT-SL 2 TEX」にも設けられている。

さて、アッパー素材の違いに応じて、様々な手が加えられているということをお分かりいただけたことと思う。しかし、アディダスゴルフの“履き手”を思いやる細やかなこだわりは、まだまだ続くのだ。

防水性を必要とするゴルフシューズにおいて、一番通気を必要とするのが甲上とかかと周りということはご存知だろうか。皮は基本的に通気性が良い素材というわけではない。そこで、「TOUR360 XT-SL 2」と「TOUR360 XT-SL BOA 2」では、この2カ所にパーフホール(通気孔)を設けてある。これによって、通気性が大幅に向上しており、18ホール歩き回っても快適な履き心地を持続させてくれる。

「TOUR360 XT-SL 2 TEX」でも、構造上の強化を図るためかかと部分が皮革素材となっているため、同じようにパーフホールが設けられている。

今回の記事では、「コードカオス」と「TOUR360 XT-SL」シリーズの違いを「TOUR360 XT-SL 2 TEX」を中心にお届けしたわけだが、皮革素材アッパーにありがちなちょっとしたウィークポイントを見事に解消した天然皮革の「TOUR360 XT-SL 2」、人工皮革の「TOUR360 XT-SL BOA 2」についても深く理解していただきたいと考え、このような説明を追加させてもらった。

ツアープロのスイングにも対応する優れた安定性とグリップ力、その安定性がもたらす心地の良い履き心地は、アッパーの素材によって変わることはない。アッパー素材の違う3つのモデルのうち、どれを選んでも間違いはないのである。あとは、ご自身のゴルフのスタイルやファッションの好みに応じて、好きなモデルを選ぶだけ。

さあ、あなたのゴルフの上達と安定感のあるプレー、そしてより充実したゴルフライフへの新しい一歩を、「TOUR360 XT-SL」シリーズとともに踏み出そう。

「TOUR360 XT-SL」シリーズ・ラインアップ

TOUR360 XT-SL TEX

価格:オープン
• 重量(片足):380g (25.5cm)
• サイズ:24.5cm~28.0cm(一部29.0、30.0cm対応)
• アッパー:合成繊維/合成皮革
• ミッドソール:合成樹脂(BOOST)
• アウトソール:合成底
• ラスト:ニューパフォーマンスラスト (EE相当)
• カラー:ホワイト/チームロイヤルブルー/グローリーミント
ホワイト/コアブラック/グレートゥー
コアブラック/グレーファイブ/スカーレット

TOUR360 XT-SL ボア 2

価格:オープン
• 重量(片足):380g (25.5cm)
• サイズ:24.5cm~28.0cm(一部29.0、30.0cm対応)
• アッパー:合成皮革
• ミッドソール:合成樹脂(BOOST)
• アウトソール:合成底
• ラスト:ニューパフォーマンスワイドラスト (EEE相当)
• カラー:ホワイト/チームロイヤルブルー/グローリーミント
ホワイト/シルバーメタリック/ソーラーレッド
コアブラック/シルバーメタリック/コアブラック

TOUR360 XT-SL 2

価格:オープン
• 重量(片足):410g (25.5cm)
• サイズ:24.5cm~28.0cm(一部29.0、30.0cm対応)
• アッパー:天然皮革/合成皮革
• ミッドソール:合成樹脂(BOOST)
• アウトソール:合成底
• ラスト:ニューパフォーマンスワイドラスト (EEE相当)
• カラー:ホワイト/チームロイヤルブルー/グローリーミント
ホワイト/ホワイト/ダークシルバーメタリック
コアブラック/コアブラック/ホワイト

  • 撮影協力/サザンヤードカントリークラブ
  • 取材協力/二木ゴルフ・多摩センター店
  • 撮影/相田克己、角田柊二(店舗)
  • 取材・文/角田柊二